2009年06月06日
”ひと吹き”の命
とても天気のいい日になった。
ちょうどその朝ボクは友達に1冊の本を借り、
広場に行って読む事にした。
木漏れ日の漏れるベンチに腰掛け本を読み読み。
すると不意に、
ぽとり。
開いていたページに虫が落ちて来た。
少し縦長の、羽のある虫。
昔田舎でよく見たバッタくらいの大きさかな。
その瞬間ボクは驚き、そいつに息を吹きかけどこかへ飛ばそうとした。
しかし飛んで行かなかったので、更に息を吹きかける。
そいつは飛ばされないよう必至になってそのページにしがみついてた。
その姿を見て、ボクは何だかそのままにしといてあげる事にした。
”生きよう”とするチカラを感じたのかもしれない。
ボクが息を吹きかけるのをやめたあともそいつはまだジッと
ただそこにいた。
ボクもそのままに文字を読み進めていったが、
次のページをめくれない。
うーん。。
そろそろ油断しているだろうと思い、息をひと吹きしてみた。
あ、ほらね。
完全に油断してたね。飛ばされてやんの。
そう思い、そいつのとんでった方に目をやる。
思わぬ事態だった。
地面に打ちつけられてしまったのだろう。。。
そいつはコンクリートの上に仰向けの状態で
それから動くことはなかった。
そんなつもりではなかったと思い、
何だか切ない気持ちがココロの中に芽生えだす。
そいつは生まれてから今の大きさまで成長するのにどのくらい時間がかかったのだろう。
きっと一生懸命餌を探し、生きようとしてきたに違いない。
正直その時のボクの”切なさ”は、
そいつを殺してしまったという”罪悪感”よりも
そいつの生涯に想いを巡らすことからのものだった。
生まれてから今まで誰にも気づかれなかったかもしれない。
(人間を主体としたエゴな考え方だけど)
それでも今の今までどこかで、
何かを食べ、飛び回り、生きてきてたんだよな。。
その命が、”ひと吹き”でなくなった。
ボクのたった”ひと吹き”で。。
そいつが”気持ち”を持っていたのかどうかは知らない。
ただ本能だけで生きていたのかもしれない。
それでも今までそこに確かにあった一つの”命”が消えたのだ。
せめて
そいつの”命”が消えたこと、消してしまった事で自分が感じている
”今”のその気持ちをしっかりと受け取ろう。。
本を読むことも忘れ、そんな想いを巡らせながら
ボクはまたそいつの亡骸に目を落とした。
テケテケ歩き出していた。
思った。
生きてるんかーーーーぃ!
Posted by shu at
10:31
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